パニック障害・不安障害とは
突然、理由もなく動悸やめまい、発汗、窒息感、吐き気、手足の震えといった発作を起こし、そのために生活に支障が出ている状態をパニック障害といいます。
この発作は死んでしまうのではないかと思うほど強くて、自分ではコントロールできないと感じます。
そのため、また発作が起きたらどうしようかと不安になり発作が起きやすい場所や状況を避けるようになります。
<どんなに検査しても異常は見つからないとしたら>
何もきっかけがないときにこうした症状が起きると人は皆、心臓や胃や気管支などの病気を考えます。
実際、パニック発作は心筋梗塞などの症状によく似ており、始めは循環器や呼吸器や消化器を受診することになります。
死にそうに思える症状に直面するため、多くは救急車で病院に運ばれます。
もちろん、こうした症状を訴える人の多くは本当に心臓や胃などに異常がある人です。
ところがどんなに検査しても内科的な異常がまったく見つからない人も少なくないのです。
そういう人は、もしかしたらパニック障害かもしれません。
<100人に1人?>
パニック障害は決して珍しい病気ではありません。
一生の間にパニック障害になる人は100人に1~2人と言われます。
例えれば、新幹線普通車の1車両に少なくとも1人か2人はパニック障害を経験するかもしれないということになります。
最近では、もっと多くの人がパニック障害になるという報告もあります。
また、男性よりも女性に発症しやすいということも言われています。
パニック障害・不安障害のサイン・症状
パニック発作
繰り返される「予期しないパニック発作」は、パニック障害の特徴的な症状です。
「予期しない発作」とは、状況などに関係なく起きる発作のことを言います。
したがって、寝ているときに発作が起きることもあります。
パニック発作はパニック障害でなくても見られ、例えば閉所恐怖症の人が狭い場所に閉じこめられたりした時にはパニック発作を起こすことがあります。
ただしこれは特定の状況に直面した時に起きる反応で、パニック障害でみられる「予期しない発作」ではありません。
予期不安
パニック発作を繰り返すうちに、発作のない時も次の発作を恐れるようになります。
「また起きるのではないか」、「次はもっと激しい発作ではないか」、「今度こそ死んでしまうのでは」、「次に発作が起きたら気がおかしくなってしまう」といった不安が消えなくなります。
これが予期不安で、パニック障害に多くみられる症状です。
このほかにもいつ発作が起こるかという不安のあまり、仕事を辞めるなどの行動の変化が起きるようになるのもパニック障害の症状の一つです。
広場恐怖
発作が起きた時、そこから逃れられないのではないか、助けが得られないのではないか、恥をかくのではないか、と思える苦手な場所ができてその場所や状況を避けるようになります。
これを「広場恐怖」と言います。
苦手な場所は広場とは限らず、一人での外出、電車に乗る、美容院に行くなど、人によって恐怖を感じる場所は様々です。
これ以外にも外出恐怖、空間恐怖ということもあります。
広場恐怖が強くなると仕事や日常生活ができなくなり、引きこもりがちになるので友達との人間関係にも影響が出てきます。
一人で外出できなくなるので、人に頼っている自分自身を情けなく思う気持ちも強まっていきます。
広場恐怖を伴わないパニック障害もありますが、多くの場合、広場恐怖がみられます。
パニック障害の治療法
<薬による治療>
治療の目的
薬物による治療の目的には、「パニック発作を起きなくさせる」ことが第一目標で、次いで「予期不安や広場恐怖もできるだけ軽減させる」も目標になります。
よく使われる薬
一般に、最初に使われる薬はSSRIをはじめとする抗うつ薬と、抗不安薬の一種であるベンゾジアゼピン系薬剤です。
量と回数
これらの薬の効果は人によって違うため、効果を確認しながら増減したり薬を変更したりする必要があります。
正しく効果を確認するためには、医師が定めたとおりの量と回数を守って服用してください。
パニック障害は薬物療法が効果を発揮しやすい障害です。
「薬に頼らず気持ちだけで治す」というのは得策ではありません。
<精神療法的アプローチ>
パニック障害では、薬物治療に加えて精神療法の併用が重要です。
特に、認知行動療法という治療法は、薬による治療と同じくらいパニック障害に治療効果があることが認められています。
薬が効き始めて発作が起こらなくなってきたら、苦手だった外出などに少しずつ挑戦することも治療の一環になります。
ただ、無理は禁物なので医師やカウンセラーと相談しながら、一歩一歩ゆっくりと前進していくつもりでとりかかってください。
参照:「パニック障害・不安障害」(みんなのメンタルヘルス)
(http://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_panic.html)
パニック障害・不安障害を扱った作品など
●阿弥陀堂だより
参照:「阿弥陀堂だより」(アスミック・エース)
(https://www.asmik-ace.co.jp/lineup/1072)
●甘き人生
参照:「甘き人生オフィシャルサイト」
(http://www.amakijinsei.ayapro.ne.jp/)
●ある朝スウプは
参照:「ある朝スウプは公式サイト」
(https://pff.jp/soup/home.html)
●アナライズミー
参照:「アナライズ・ミー」(Wikipedia)
平成30年4月17日編集