障碍者雇用への取り組み

株式会社 クロップス・クルー

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障碍者雇用の取り組み 第10回

株式会社 クロップス・クルー

株式会社 クロップス・クルー対談の様子

代表取締役社長 猿渡 智佐登さん
片桐 健司さん
インタビュアー 山下 広幸(NPO法人 障害者雇用創造センター 理事)

派遣・職業紹介会社も巻き込んだ提案で、障害者雇用に対しての土壌づくりをしていかないといけない。

就労移行支援事業所 「障碍者ITカレッジ四日市」 を9ヶ月間利用し、株式会社クロップス・クルーに就職した片桐さんと代表取締役社長の猿渡さんにお話をお伺いしました。

― それぞれの企業で活躍できる人は必ずいると思います。

山下 御社での障害者雇用に対する取り組みを教えてください。

猿渡 弊社の障害者雇用率は派遣社員を含めた算出となっているため、正直なところ厳しい状況です。障害をお持ちの方を何度か雇用したこともあるのですが、いろいろな事情で続かず、次に雇用する障害者は実務に精通した人を雇いたいと考えていました。片桐さんは当社の弱い部分を補ってくれているので、求めた人材が来てくれたと思っています。今回、就労移行支援を利用していた方の雇用となったわけですが、そういった福祉サービスがあることを知らなかったこともあり、これまで雇用した方々とどのように違うのか分かりませんでした。しかしこんなにも差があるものかと驚いています。

山下 愛知県にはたくさんの就労移行支援事業所がありますが、まだまだ企業側には知られていない部分が多くあるのですね。片桐さんは就職してどのような仕事をされているのですか?

片桐 主に事務仕事やイラストレーター、フォトショップで広告物などを製作しています。勤めて半年が過ぎ、9月からはフルタイムで働かせていただいていますが、最初は上手くやれるか、足を引っ張らないかという不安はありました。けれど働いていくうちに職場の皆さんに良くしてもらって、今では期待に応えていきたいという気持ちになっています。

猿渡 片桐さんはすごく礼儀正しくて身だしなみもきちんとしているし、仕事の期日もしっかり守っていただいています。他の社員が感心することが多いくらいです。

最初は通勤時間の長さから体力的なことを心配していましたが、それも必要なかったですね。障害については他の社員も理解し、受け入れてくれていると思います。

山下 片桐さんは自分自身の障害で苦手な所や不安だと思う所に対して、どのように対応していますか?

片桐 仕事の数が多くなると混乱するのではないかと不安でしたが、仕事の期日を予定表にまとめることで対応しています。同時に作業を依頼された場合は期日を確認して優先順位を決めてもらって取り組んでいるので、効率よく作業にあたることができています。

山下 就労移行支援事業所で訓練したことが活かされていますね。

御社は積極的に障害者雇用をしていますが、障害者雇用に戸惑っている企業に対してどう考えますか?

猿渡 症状悪化時やもしもの時にどう対応したら良いのかといった不安やさまざまな先入観から、受け入れ時の体制作りで二の足を踏んでいる状況をよく聞きます。派遣であっても受け入れ企業の雇用率にカウントされるのであれば、障害者雇用も進んでくるのではないでしょうか。また雇用する側とされる側のミスマッチを防ぐため、障害者の方にも企業に対し受け入れ体制作りの提案が出来る訓練が必要だと思います。

山下福祉の事業所ではケアやサポートはしっかりできますが、雇用先企業の開拓が苦手な事業所が多いです。そういった中で、御社のような派遣会社や職業紹介会社と連携が取れれば、もっと雇用率も上がっていくのかなと思います。

猿渡 雇用が出来なくて一番頭を抱えているのは100人規模の中小企業なんですね。大手のように応募があるわけでもなく、雇用する際のノウハウもない。弊社が相談を受けるのも中小企業です。意識は上がっているのに採用できていないというのが現状です。

山下現在、制度やシステムは様々な機関から点で用意されているだけで、線で繋がっていないんですよね。そこを繋げていければ、もっと効率よく回ると思います。

猿渡 片桐さんの事例を出せば、企業の皆さんに話を聞いてもらえると思います。それを全体の流れに出来れば、必ず一人二人は年間で雇用出来ると思います。雇用後のフォローもしてくれる事業所の存在を知らない企業も多いので、その点でも障害者雇用への認識が広がれば違ってくると思います。

山下 就労移行支援事業所は愛知県で140ヶ所ほどあり、就職後に定着させることも業務なんです。移行支援と御社のような紹介・派遣の会社が繋がってもらえば、もっと良い方向へ広がっていくと思います。御社では採用する上でどんな所を重視しますか?

猿渡 ハキハキしていて元気が良いか、挨拶がきちんとできるかを重要視しています。もちろん、自分の手が空いているときに「何か手伝えることはないですか?」と声をかけてくれるような積極性がある方が良いですね。障害の内容とかではなく、就職に対してどれだけ準備ができているのかを見て、障害者雇用に関して企業も積極的に取り組んでいってもらいたいと思います。

山下 就職活動に入るまでに就職に対してどれだけ準備をしているかはとても大切なことだと思います。自分ひとりで進めるのではなく、利用できる福祉サービスを最大限利用していただいて、より良い企業に就職し、訓練で培った能力を活用していけると良いですね。

最後に、就労移行支援を利用して就職した先輩として、みなさんにアドバイスをお願いします。

― 就労移行支援を利用すると意識が変わる!

片桐 最初は戸惑う事はありましたし、働くことにネガティブなイメージを感じていました。けれど就労移行支援事業所で訓練を受けるうちに意識が変わって、今回素晴らしい会社に巡り合えました。日々をしっかり生きていればそういう道につながるのかなと思います。

山下本日はありがとうございました。

第11回 「M.I.E」を多くの人に手に取っていただき、良さを知ってもらいたいです。


第10回 就労移行支援を利用すると意識が変わる!


第9回 三重県障がい者雇用促進企業ネットワーク


第8回 苦手なことが出来た時、喜びは倍以上になる


第7回 企業の障がい者雇用の門は、大きく開いています!


第6回 行政も福祉も病院も連携をもって繋がり、地域で動いていきたい。


第5回 これからの福祉と求められる就労支援


第4回 様々な方に働く場所を提供する事が国や社会への恩返し!


第3回 とにかく自分で、こうしたい、あぁしたいと気持ちを持つこと。


第2回 気負わず、落ち着いて、考え過ぎないことが大切。


第1回 あきらめないで!まずは外に出ることから。「僕でも出来ました!」


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